今月下旬に無線ブロードバンドサービスを予定しているUQコミュニケーションズ、ウィルコムがMVNOの説明会を開催する旨、発表された。そのことに、『新鮮さ』を感じた。
これまでの垂直統合型ビジネス一辺倒だったモバイル市場において、こうしたオープンな取り組みはなかったからだ。
もっとも無線ブロードバンドサービスの提供にあたっては、総務省から市場活性化の観点からMVNOを積極的に取り入れることが条件であったため、当たり前といえばその通りだ。
水平分離型となる無線ブロードバンドサービスが日本でどのようなポジションを獲得できるのか。興味は尽きないが、一方で携帯電話の方でも次世代(3.9G)の取り組みもはじまっており、その具体的な姿が今年中には明らかになりそうだ。
エスカレータ式に考えれば、各社とも既存のインフラ技術をベースにアップデートしていくというカタチになるのかと思いきや、複数の関係者の話によると「コト」はそう単純ではないようだ。
次世代インフラ技術は、それぞれの会社の事業基盤の根幹をなすもので、競争力に直結する。敵は他社の携帯電話だけではない。将来的には、無線ブロードバンドとも競合することになる。
今年、次世代インフラ技術でどのような動きがあるか、各社の10年先までの競争力を予測する上でも大いに注目したい。
2008年3月13日木曜日
2008年3月11日火曜日
◎携帯キャリアのパワーを弱体化させるチキンレースの先
車のエンジンをかけて断崖絶壁へ向けて思いっきりアクセルを踏み込む。どちらがブレーキをかけるのを我慢できるか。今のケータイ市場は、まさに『チキンレース』と呼ぶに相応しい状況だ。
競争激化で料金はどんどん下がり、果たして通信トラフィックを生業としてきたテレコム産業が産業としてこれからも成り立っていくのか。既に一部の携帯キャリアのトラフィック収入は赤字となっており、そうなることは最初から分かっていながら突き進んでいることに言い知れぬ不安を憶える。
もっとも海外の携帯キャリア、他の産業と比較すると、日本のテレコム産業は依然として高収益型といえるだろう。聞くところによると、新興国では先進国から中古の基地局をただ同然で輸入し、数千円/台の端末が流通、ARPU数百円でも収益をガッチリ確保しているという。
全く逞しい限りだが、果たして日本では今回の音声定額競争でひと段落となるか、それとも更にエスカレートしていくのか。各社、それぞれ他社の出方を伺う神経戦となっている。
一方、携帯キャリアのパワーが相対的に弱体化していくなか、これから端末ベンダーの逆襲が何かありそうな話も聞こえてくる。 コストが安価な海外端末ベンダーの採用、調達価格の引き下げ、調達量の削減など、もはや端末ベンダーの収入を保証する力を携帯キャリアは持ち合わせていないのだから、当然だろう。
水面下では、着実に地殻変動が起きているようだ。
競争激化で料金はどんどん下がり、果たして通信トラフィックを生業としてきたテレコム産業が産業としてこれからも成り立っていくのか。既に一部の携帯キャリアのトラフィック収入は赤字となっており、そうなることは最初から分かっていながら突き進んでいることに言い知れぬ不安を憶える。
もっとも海外の携帯キャリア、他の産業と比較すると、日本のテレコム産業は依然として高収益型といえるだろう。聞くところによると、新興国では先進国から中古の基地局をただ同然で輸入し、数千円/台の端末が流通、ARPU数百円でも収益をガッチリ確保しているという。
全く逞しい限りだが、果たして日本では今回の音声定額競争でひと段落となるか、それとも更にエスカレートしていくのか。各社、それぞれ他社の出方を伺う神経戦となっている。
一方、携帯キャリアのパワーが相対的に弱体化していくなか、これから端末ベンダーの逆襲が何かありそうな話も聞こえてくる。 コストが安価な海外端末ベンダーの採用、調達価格の引き下げ、調達量の削減など、もはや端末ベンダーの収入を保証する力を携帯キャリアは持ち合わせていないのだから、当然だろう。
水面下では、着実に地殻変動が起きているようだ。
2008年3月10日月曜日
◎ソニー・エリクソン・モバイル事業見直し報道に見る国内端末市場の今後
三洋電機、三菱電機に続きソニー・エリクソン・モバイルも国内端末事業の見直しを進めていることが明らかになった。現在、同社はドコモとKDDI(au)向けに端末を供給しているが、今後、国内端末事業はKDDI(au)向けのみに絞るというものである。
市場の減速感が鮮明になるのを受け、国内端末ベンダーにとっては、いよいよ生存競争が加速しそうだ。世界第四位の端末シェアを持つソニー・エリクソン・モバイルの場合、世界市場では4位と好調で、2007年からは北米市場での攻略も本格化させ、2011年頃までにトップスリー入りを目指すなど、全体では好調を維持している。
その点から推測するに、日本市場が世界の端末マーケットのなかでコスト負担が大きい割りに魅力が少なくなっている証左ではないかと勘ぐってしまう。尚、ソニー・エリクソン・モバイルの日本法人は世界で唯一CDMA端末を開発・供給している拠点である。もともとソニーの端末部隊をベースに編成されており、両社半々という海外とは、その性格を異にしている。
MCAでは、現在10社前後いる国内端末ベンダーは、最終的には3-4社程度に集約されていくと予測している。
2008年3月7日金曜日
◎端境期を迎えたケータイ市場
ちょうど2年ほど前になるが、あるグローバル端末ベンダーの担当者から連絡をもらい情報交換することになった。テーマは、「今後の日本の携帯電話端末市場について」だ。
その方は、流暢な日本語で国内市場について綿密に分析し、最後にホワイトボードにグラフを描き、2-3年後に国内市場規模は減少傾向へと転じ、そのボリュームの約4分の1を海外端末ベンダーが占めると予測した。
その時は、MNPもありにわかに信じがたかったが、携帯キャリアの2年縛りによる影響で市場には減速感が、そして国内端末ベンダーの相次ぐ撤退という事態が起きている。三洋電機、三菱電機撤退のニュースは、国内の端末の進化について語る際に欠くことのできない企業として活躍してきただけに誠に残念だ。
ケータイ市場は、これまでの高機能化競争から料金競争へと突入し、各社消耗戦の様相を見せている。2年縛りを優先させた結果、顧客の流動性は減速し、端末の買い替えスピードも落ちた。各社の収益減への圧力は強まっているが、その一方で高機能化へのニーズは依然として高く、それが更にケータイキャリア自身の首を絞めている。
市場におけるケータイキャリアの存在感が弱まれば、それに代わるプレーヤーが出てきそうなものだが、その先駆者が誰なのか、まだ視界不良の状態だ。
現時点でいえる事。それはインフラ、端末、プラットフォーム、コンテンツという全てのレイヤーでケータイ市場が端境期を迎えているということではないだろうか。
その方は、流暢な日本語で国内市場について綿密に分析し、最後にホワイトボードにグラフを描き、2-3年後に国内市場規模は減少傾向へと転じ、そのボリュームの約4分の1を海外端末ベンダーが占めると予測した。
その時は、MNPもありにわかに信じがたかったが、携帯キャリアの2年縛りによる影響で市場には減速感が、そして国内端末ベンダーの相次ぐ撤退という事態が起きている。三洋電機、三菱電機撤退のニュースは、国内の端末の進化について語る際に欠くことのできない企業として活躍してきただけに誠に残念だ。
ケータイ市場は、これまでの高機能化競争から料金競争へと突入し、各社消耗戦の様相を見せている。2年縛りを優先させた結果、顧客の流動性は減速し、端末の買い替えスピードも落ちた。各社の収益減への圧力は強まっているが、その一方で高機能化へのニーズは依然として高く、それが更にケータイキャリア自身の首を絞めている。
市場におけるケータイキャリアの存在感が弱まれば、それに代わるプレーヤーが出てきそうなものだが、その先駆者が誰なのか、まだ視界不良の状態だ。
現時点でいえる事。それはインフラ、端末、プラットフォーム、コンテンツという全てのレイヤーでケータイ市場が端境期を迎えているということではないだろうか。
2008年3月1日土曜日
◎ケータイ市場の『影』についてのメディア論調
天王山である2008年春商戦へ向け、ケータイ会社の料金競争はヒートアップする一方だ。ソフトバンクの攻勢とイーモバイルの音声参入に、KDDIとドコモが応戦するという構図が続いている。
主戦場は、音声定額サービス。これまで、ウィルコムとソフトバンクモバイルのみだった自社内無料通話をKDDIとドコモも家族内、社員間という制限付きながら提供に踏み切った。
それぞれ市場の3割、5割の母数を抱えるという点で、2割弱しかないソフトバンクモバイルとは影響のレベルが大きく異なる。もしかしたら、本当に通信がパンクするという事態がやってくるのではと思ってしまう。
一方、視点をメディアの論調へと移すと、激しい純増競争が消耗戦を誘発させていることは既に各紙で述べられている通りである。こうした状況下において、一部メディアからは、あの会社が加入者を増やす手法はよくないとか、おかしいといったコメントが目立つ。
しかし、個人的にはそんな性善説に立って書いていること自体に、妙な違和感を覚えてしまう。そもそもケータイは、古くはNCC系携帯会社の1台10万円のインセンティブを投下や、特定代理店がNCC市場の3割以上を占有するなどの歪み(影)を内包しながら急成長を遂げてきた市場なのだ。
仮にケータイ市場が健全なら、業界に影響力を持つメディアが誕生していただろうし、 業界側もいわゆる専門誌と言われるメディアを育てようとしてきたはずである。果たしてケータイ市場について健全性という立場から論じることができ、かつ影響力のあるメディアがあるのだろうか?
更に付け加えるなら、世界の最先端と言われる日本のケータイ市場が孤島というガラパゴス状態に陥らず、日本の端末ベンダーが世界で活躍することも夢ではなかったはずだ。
誰もがおかしいと思いながら、しかし市場拡大を前に誰もブレーキをかけることができず、そして今にいたっている。別に影を受容しろと言っている訳ではないが、誠に請謁ながら今更ながらにあまりにもナイーブすぎる気がしないでもない。
主戦場は、音声定額サービス。これまで、ウィルコムとソフトバンクモバイルのみだった自社内無料通話をKDDIとドコモも家族内、社員間という制限付きながら提供に踏み切った。
それぞれ市場の3割、5割の母数を抱えるという点で、2割弱しかないソフトバンクモバイルとは影響のレベルが大きく異なる。もしかしたら、本当に通信がパンクするという事態がやってくるのではと思ってしまう。
一方、視点をメディアの論調へと移すと、激しい純増競争が消耗戦を誘発させていることは既に各紙で述べられている通りである。こうした状況下において、一部メディアからは、あの会社が加入者を増やす手法はよくないとか、おかしいといったコメントが目立つ。
しかし、個人的にはそんな性善説に立って書いていること自体に、妙な違和感を覚えてしまう。そもそもケータイは、古くはNCC系携帯会社の1台10万円のインセンティブを投下や、特定代理店がNCC市場の3割以上を占有するなどの歪み(影)を内包しながら急成長を遂げてきた市場なのだ。
仮にケータイ市場が健全なら、業界に影響力を持つメディアが誕生していただろうし、 業界側もいわゆる専門誌と言われるメディアを育てようとしてきたはずである。果たしてケータイ市場について健全性という立場から論じることができ、かつ影響力のあるメディアがあるのだろうか?
更に付け加えるなら、世界の最先端と言われる日本のケータイ市場が孤島というガラパゴス状態に陥らず、日本の端末ベンダーが世界で活躍することも夢ではなかったはずだ。
誰もがおかしいと思いながら、しかし市場拡大を前に誰もブレーキをかけることができず、そして今にいたっている。別に影を受容しろと言っている訳ではないが、誠に請謁ながら今更ながらにあまりにもナイーブすぎる気がしないでもない。
2008年1月15日火曜日
◎効率的なインフラ投資一考
2008年に入り、携帯市場の勢力図が大きく変わろうとしている。従来、一人勝ちでシェア拡大を続けていたKDDIに急ブレーキがかかる一方で、ソフトバンクモバイルが躍進。防戦一方だったドコモは、新端末と新料金プランで復調傾向が見られる。
MNPという顧客流動化の流れは、各社の2年契約という縛りの影響で、今後も有効に作用するのか注視していく必要があるが、今日の報道によるとソフトバンクが携帯ー固定間の通話無料サービスを開始するという。ソフトバンクモバイルの携帯電話とBBフォンの間に限定されるものの、今後は携帯と固定を跨いだ競争へと舞台が移っていきそうな気配である。
各社のインフラネットワークは更なる高速化へと向かい、2008年以降は次世代投資も本格化してくものと考えられる。しかし、これまでもそうだったように、こうしたインフラ投資の目的は、全国あまねく携帯電話を使えるようにすることにあるが、他にもデータ通信サービスの高速・大容量化にある。つまり、ARPUで言うところのデータARPUの強化だ。しかし、データARPUは、各社ともARPU全体の約2割程度しかなく、見方によってはそのためだけに、毎年数千億円の設備投資が行われているという捉え方もできる。これは一例だが、ドコモのFOMAの設備投資は、開業から数えて約2兆円に上っている。
たった2割のために毎年、大規模な接尾投資をやっているのか、という気がしないでもないが、それについては関係者の間でも様々な議論があることだろう。むしろ、そうした観点から考えると、ソフトバンクモバイルの音声定額「ホワイトプラン」は、効率的に設備投資を活用しているなあと思ってしまうのは私だけだろうか。
MNPという顧客流動化の流れは、各社の2年契約という縛りの影響で、今後も有効に作用するのか注視していく必要があるが、今日の報道によるとソフトバンクが携帯ー固定間の通話無料サービスを開始するという。ソフトバンクモバイルの携帯電話とBBフォンの間に限定されるものの、今後は携帯と固定を跨いだ競争へと舞台が移っていきそうな気配である。
各社のインフラネットワークは更なる高速化へと向かい、2008年以降は次世代投資も本格化してくものと考えられる。しかし、これまでもそうだったように、こうしたインフラ投資の目的は、全国あまねく携帯電話を使えるようにすることにあるが、他にもデータ通信サービスの高速・大容量化にある。つまり、ARPUで言うところのデータARPUの強化だ。しかし、データARPUは、各社ともARPU全体の約2割程度しかなく、見方によってはそのためだけに、毎年数千億円の設備投資が行われているという捉え方もできる。これは一例だが、ドコモのFOMAの設備投資は、開業から数えて約2兆円に上っている。
たった2割のために毎年、大規模な接尾投資をやっているのか、という気がしないでもないが、それについては関係者の間でも様々な議論があることだろう。むしろ、そうした観点から考えると、ソフトバンクモバイルの音声定額「ホワイトプラン」は、効率的に設備投資を活用しているなあと思ってしまうのは私だけだろうか。
2007年11月12日月曜日
◎テーブル下で進むMVNO
ディズニーがソフトバンクモバイルのMVNOとして携帯電話事業に参入することが発表された。両社のネットワークや販売網、ブランドやエンタテインメント資産などを融合し、2008年春よりサービス開始を予定しているそうだ。
周知の通り、国内のMVNOというとPHSが一般的だった。時同じくして、イー・モバイルもNECビッグローブら6社「MVNOコンソーシアム」を結成し、共同マーケティングや通信と放送のデジタル化の中で創出しうる新たな事業の共同研究なども行うことが目的としている。
誰もが携帯キャリアに申し込めばMVNOができるような時代になるのか、期待は膨らむが、個人的にはまだまだではないか感じる。ディズニーもISPの抱き合わせ販売も、これまでにも誰もが予見してきたシナリオの1つでしかない。もっと、誰もが参入を検討できる取引条件や参入方法などがテーブルに上がってこないと、携帯キャリアが取引先を指名するという基本的な関係性は何も変わらないのだ。
先日、ある関係者と情報交換をしていると、ある携帯キャリアでは音声で既にMVNOを数社に提供しているようで、これもいわゆるテーブル下で交渉の結果だそうだ。その会社によると、積極的にプロモーションすることを携帯キャリアからは止められているそうで、こうしたケースはなかなか表には出てこない。
何故、テーブル下でしか交渉が進まないのか。理由の1つには、携帯キャリアにとって都合のいい企業と付き合いたいという考えがあるためだ推測される。別の関係者によると、自社でMVNOをやりたいというところは結構多く、そうした人達は自発的に集まり研究会なども開催されているらしい。しかし、携帯キャリアにとっては、全てを受け入れてしまったら、(携帯キャリアにとっての)秩序を壊す業種、企業が参加する可能性もある。それは、避けたいというのが本音だし、その気持ちが分ない。
しかし、それで国民共有の財産である電波を使っている携帯電話の社会性は保たれると言だろうか?
周知の通り、国内のMVNOというとPHSが一般的だった。時同じくして、イー・モバイルもNECビッグローブら6社「MVNOコンソーシアム」を結成し、共同マーケティングや通信と放送のデジタル化の中で創出しうる新たな事業の共同研究なども行うことが目的としている。
誰もが携帯キャリアに申し込めばMVNOができるような時代になるのか、期待は膨らむが、個人的にはまだまだではないか感じる。ディズニーもISPの抱き合わせ販売も、これまでにも誰もが予見してきたシナリオの1つでしかない。もっと、誰もが参入を検討できる取引条件や参入方法などがテーブルに上がってこないと、携帯キャリアが取引先を指名するという基本的な関係性は何も変わらないのだ。
先日、ある関係者と情報交換をしていると、ある携帯キャリアでは音声で既にMVNOを数社に提供しているようで、これもいわゆるテーブル下で交渉の結果だそうだ。その会社によると、積極的にプロモーションすることを携帯キャリアからは止められているそうで、こうしたケースはなかなか表には出てこない。
何故、テーブル下でしか交渉が進まないのか。理由の1つには、携帯キャリアにとって都合のいい企業と付き合いたいという考えがあるためだ推測される。別の関係者によると、自社でMVNOをやりたいというところは結構多く、そうした人達は自発的に集まり研究会なども開催されているらしい。しかし、携帯キャリアにとっては、全てを受け入れてしまったら、(携帯キャリアにとっての)秩序を壊す業種、企業が参加する可能性もある。それは、避けたいというのが本音だし、その気持ちが分ない。
しかし、それで国民共有の財産である電波を使っている携帯電話の社会性は保たれると言だろうか?
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