携帯3社の秋冬端末が出揃った8日、TCAより10月末の携帯電話・PHS契約数が発表された。
純増競争ではソフトバンクモバイルが2位に5倍以上の大差をつけ、7カ月連続の首位を獲得した。
ソフトバンクの純増数は32万4200件、2位のイー・モバイルは6万800件、KDDI(au)は5万8400件で、最下位はNTTドコモの5万7700件だった。また、モバイルWiMAXを提供しているUQコミュニケーションズの純増数は3万6200件で、会社更生手続き中のウィルコムのPHSは4万1900件の純減だった。
ソフトバンクでは相変わらず「iPhone」が好調で、2位のイー・モバイルはWiFiルータが顧客獲得に貢献した。それに対してドコモは「GALAXY S」、KDDIは「IS03」という戦略商品を投入するも、実際の発売時期は11月からと10月の純増にはほとんど寄与しなかったことが響いた格好だ。
MNP競争ではソフトバンクが8万8000件の転入超過(プラス)となる一方、ドコモが5万2500件、KDDIが3万4800件、イー・モバイルが900件の転出超過(マイナス)となった。
10月の端末タイプ別の動向(独自推計)としては以下の通り。
◎ソフトバンク-純増の7割弱をスマホ&フィーチャーフォンが占め、約2割を通信モジュール系となっている。
◎イー・モバイル-引き続きスマホ&フィーチャーフォンタイプの減少が続くなかで、WiFiルータを含む通信カードとプリペイドが純増を押し上げている。
◎KDDI-従来のフィーチャーフォンタイプの純増が減少傾向にあるなかで、通信カード&通信モジュールがコンスタントに数字を獲得している。
◎ドコモ-スマホ&フィーチャーフォンタイプが純増の半分以上を占める一方で、これまで同社の純増を牽引してきた通信カード系が急減。
携帯キャリア別の地域別動向としては以下の通り。
◎ソフトバンク-純増数の内訳:首都圏59%、関西15%、東海10%、他15%
◎KDDI -純増数の内訳:首都圏46%、関西14%、東海 9%、他31%
◎ドコモ -純増数の内訳:首都圏66%、関西 7%、東海 -%、他27%
*ドコモ東海エリアについては、今回200回線の純減だった。
今年の秋冬商戦では、3社で70機種以上(ドコモ28機種/KDDI23機種/ソフトバンク24機種)の新端末が投入され、顧客獲得競争を繰り広げることとなる。
新端末発表で先行したKDDIとソフトバンクがAndroid新機種を中心に据えたのに対し、ドコモはスマートフォン(AndroidおよびBlackBerry)、iモード端末(=フィーチャーフォン)、LTEサービスの3分野をバランスよく配分しながら、他社にない独自端末を数多く取り揃えてきた。
更にドコモの端末発売予定を見ていると2011年3月に確定しているものは1機種もないことから、時期を見て隠し玉の投入もありそうだ。
注目を集めるスマートフォンについては、これまでのような高機能型だけでなく海外の廉価版も投入されてくるあたり、今後はフィーチャーフォンとスマートフォンの融合が加速していくと予感させる。
「ストップ・ザ・iPhone」で一斉に動き出した秋冬商戦の熱い戦いがはじまった。
2010年11月9日火曜日
2010年11月5日金曜日
Column:下り最大42Mpsの「EMOBILE G4」を発表したイー・モバイルの戦略メモ
データ通信の高速化でライバルをリードしてきたイー・モバイルが、11月19日より下り最大42Mps/上り最大5.8MbpsのDC-HSDPAサービス「EMOBILE G4」を開始すると発表した。
通信料金は現行の毎秒21Mbpsのサービスと同じに据え置いた。月額固定の「G4データプラン」で2年の継続利用を前提とした「ベーシック(にねん得割)」が月額5,280円など。
当初は関東、東海、関西、北海道、九州の一部主要都市での提供となるが、その後エリアを広げ、2011年3月末には約40~50%の人口カバー率を目指すとしている。「EMOBILE G4」以外のエリアでは、既存のHSPA+などとバックコンパチで対応可能となっている。
2007年3月にデータ通信専業型キャリアとして3.6Mbpsのデータ定額制を武器に参入を果たしたイー・モバイルは、常にライバルを上回るデータ通信サービスをいち早く導入(2007年12月に7.2Mbps、2009年7月に21MbpsのHSPA+)することで、弱点であるエリア整備をカバーし戦ってきた。
PCとデータ通信カードをセットにした100円PCや、PCやPDA、携帯型ゲーム機などを無線LAN経由でインターネットに接続できるモバイルルーター「Pocket WiFi」などのヒットで、開業1年目は約100万、そして2年目は約95万の純増数を獲得し、累積加入者数は2010年9月末時点で274万件まで増加。
開業当初、調達していた資金から現在の加入者数を換算すると加入者一人あたり約3万円の獲得コストと、効率性は決して悪くないものの、端末代を肩代わりし通信料金で回収するモデルは、資金力に限界のあるベンチャー企業にとって楽な仕組みではない。その点、端末を割賦にし債権として早期に現金化できるソフトバンクの開発したモデルは秀逸である。
そうした背景もあり、今年親会社であるイー・アクセスとの合併に踏み切ったと見られるが、とわ言え、まだ300万レベルの加入者数しか持たない携帯キャリアという言い方もできる。
12月にはドコモがLTEの商用化を計画しているが、W-CDMAの延長技術であるDC-HSDPAで対抗するあたり、性能がLTEと変わらず、更にはその先の高速化技術も開発されてきているDC-HSDPAの方がコスト面でも十分対抗できるとする読みがあるのではないかと思われる。
今回、サプライズでAndroid搭載のスマートフォン「HTC Aria」投入が発表されたものの、コンテンツやプラットフォームも手がける総花的な携帯キャリアを目指すのか、それとも堅牢な通信ネットワークを提供する土管屋に徹するのか、その決断の時期もそう遠くないように思える。
通信料金は現行の毎秒21Mbpsのサービスと同じに据え置いた。月額固定の「G4データプラン」で2年の継続利用を前提とした「ベーシック(にねん得割)」が月額5,280円など。
当初は関東、東海、関西、北海道、九州の一部主要都市での提供となるが、その後エリアを広げ、2011年3月末には約40~50%の人口カバー率を目指すとしている。「EMOBILE G4」以外のエリアでは、既存のHSPA+などとバックコンパチで対応可能となっている。
2007年3月にデータ通信専業型キャリアとして3.6Mbpsのデータ定額制を武器に参入を果たしたイー・モバイルは、常にライバルを上回るデータ通信サービスをいち早く導入(2007年12月に7.2Mbps、2009年7月に21MbpsのHSPA+)することで、弱点であるエリア整備をカバーし戦ってきた。
PCとデータ通信カードをセットにした100円PCや、PCやPDA、携帯型ゲーム機などを無線LAN経由でインターネットに接続できるモバイルルーター「Pocket WiFi」などのヒットで、開業1年目は約100万、そして2年目は約95万の純増数を獲得し、累積加入者数は2010年9月末時点で274万件まで増加。
開業当初、調達していた資金から現在の加入者数を換算すると加入者一人あたり約3万円の獲得コストと、効率性は決して悪くないものの、端末代を肩代わりし通信料金で回収するモデルは、資金力に限界のあるベンチャー企業にとって楽な仕組みではない。その点、端末を割賦にし債権として早期に現金化できるソフトバンクの開発したモデルは秀逸である。
そうした背景もあり、今年親会社であるイー・アクセスとの合併に踏み切ったと見られるが、とわ言え、まだ300万レベルの加入者数しか持たない携帯キャリアという言い方もできる。
12月にはドコモがLTEの商用化を計画しているが、W-CDMAの延長技術であるDC-HSDPAで対抗するあたり、性能がLTEと変わらず、更にはその先の高速化技術も開発されてきているDC-HSDPAの方がコスト面でも十分対抗できるとする読みがあるのではないかと思われる。
今回、サプライズでAndroid搭載のスマートフォン「HTC Aria」投入が発表されたものの、コンテンツやプラットフォームも手がける総花的な携帯キャリアを目指すのか、それとも堅牢な通信ネットワークを提供する土管屋に徹するのか、その決断の時期もそう遠くないように思える。
2010年11月2日火曜日
Reseach Nopte:『アップルの独自SIM開発報道』で改めて注目される端末ベンダーの強さの意味
PM:世界の移動体通信産業を調査している研究者との意見交換にて。
米IT系有力ブログのひとつ「GigaOM」が、欧州市場向けにiPhone用の独自SIMカードの開発をオランダのカードメーカー、ゲマルト(Gemalto)と共同で進めていると伝えた。
これががあれば、顧客はアップルから店舗やWeb経由でiPhoneを購入して、購入時に携帯キャリアを選択できるようになる。つまり、通常は携帯キャリアが行うアクティベートをApp Storeからのダウンロードでできるようになるのだ。
独自SIMには、アップグレード可能なフラッシュコンポーネントとROMエリアを備えたチップが埋め込まれている。ROMエリアには、キャリア関連の情報を除いて、ITやネットワークセキュリティに関してGemaltoが提供するあらゆるデータが含まれ、同社がは、キャリアのネットワーク上でサービスと電話番号を供給できるバックエンドインフラを提供する。
世界の通信トレンドの1つが、iPhoneの登場以降、NokiaのMeeGo、Hewlett-PackardはwebOS、そしてSamsungはBadaというように、端末とソフトの垂直統合化にある。そうしたなかで、今回の報道の真偽のほどは別にして、仮に事実ならその流れを更に一歩進めることとなりそうだ。
翻って日本ではどうか。海外の携帯キャリアと比較し、プラットフォームやコンテンツまで手がけ「ガラパゴス」と呼ばれるほど、国内端末ベンダーの国際競争力に影響を及ぼすほど、垂直統合化によるエコシステムを構築してきたことは周知の事実だろう。
その観点から、実はこうしたグローバル端末ベンダーと相性がいいのは、周波数帯の問題はあるにせよ、上位レイヤーを持たないイー・モバイルだったりするのではないかと思ったりもするのだが、言いすぎだろうか。
先日、移動体通信のグローバル市場を調査している外国の研究者と意見交換をしたのだが、その席で「何故、部品技術であれだけ優れている日本の端末ベンダーは、海外で活躍できないのか?」と聞かれ、答えに窮した。
その方によると、国際市場で戦うには、いい商品や部品を作ること以上に誰か(携帯キャリア)におもねるのでなく、自ら道を切り開く‘強さ’を持っていることが絶対条件になるとしている。
今一度、‘強さ’の意味を考えさせられた。
米IT系有力ブログのひとつ「GigaOM」が、欧州市場向けにiPhone用の独自SIMカードの開発をオランダのカードメーカー、ゲマルト(Gemalto)と共同で進めていると伝えた。
これががあれば、顧客はアップルから店舗やWeb経由でiPhoneを購入して、購入時に携帯キャリアを選択できるようになる。つまり、通常は携帯キャリアが行うアクティベートをApp Storeからのダウンロードでできるようになるのだ。
独自SIMには、アップグレード可能なフラッシュコンポーネントとROMエリアを備えたチップが埋め込まれている。ROMエリアには、キャリア関連の情報を除いて、ITやネットワークセキュリティに関してGemaltoが提供するあらゆるデータが含まれ、同社がは、キャリアのネットワーク上でサービスと電話番号を供給できるバックエンドインフラを提供する。
世界の通信トレンドの1つが、iPhoneの登場以降、NokiaのMeeGo、Hewlett-PackardはwebOS、そしてSamsungはBadaというように、端末とソフトの垂直統合化にある。そうしたなかで、今回の報道の真偽のほどは別にして、仮に事実ならその流れを更に一歩進めることとなりそうだ。
翻って日本ではどうか。海外の携帯キャリアと比較し、プラットフォームやコンテンツまで手がけ「ガラパゴス」と呼ばれるほど、国内端末ベンダーの国際競争力に影響を及ぼすほど、垂直統合化によるエコシステムを構築してきたことは周知の事実だろう。
その観点から、実はこうしたグローバル端末ベンダーと相性がいいのは、周波数帯の問題はあるにせよ、上位レイヤーを持たないイー・モバイルだったりするのではないかと思ったりもするのだが、言いすぎだろうか。
先日、移動体通信のグローバル市場を調査している外国の研究者と意見交換をしたのだが、その席で「何故、部品技術であれだけ優れている日本の端末ベンダーは、海外で活躍できないのか?」と聞かれ、答えに窮した。
その方によると、国際市場で戦うには、いい商品や部品を作ること以上に誰か(携帯キャリア)におもねるのでなく、自ら道を切り開く‘強さ’を持っていることが絶対条件になるとしている。
今一度、‘強さ’の意味を考えさせられた。
2010年10月31日日曜日
Column:スマートフォンへの踏み込み具合が差となって表れた携帯3社の中間決算
携帯大手3社の中間決算が出揃った。2010年度2Qの結果は下記の通り。
-NTTドコモ:減収増益/純増数 81万/ARPU5,200円(前年同期比-220円)
-KDDI:減収減益/純増数 42万/ARPU5,100円(前年同期比-500円)
-ソフトバンク:増収増益/純増数160万/ARPU4,300円(前年同期比+150円)
2008年よりiPhoneを投入し、スマートフォン時代をリードするソフトバンクは、純増数×単価の両面で増収増益を記録。移動体通信事業の営業収益は、前年同期比13%増の9,400億4,400万円、営業利益は前年同期比57.3%増2,072億300万円だった。純増数では前年同期比の68万から160万へ大きく増加させ、ARPUは4,300円と前四半期から150円増加した。なかでも特筆すべきは、データARPUが前年同期より300円増加し、データARPUと音声ARPUが逆転したという点である。今後10年以内にウィルコムの加入者を含め(合計で約2,800万)、ソフトバンクモバイルで4000万回線の獲得を目指す方針が明らかにされた。
これに対してドコモは、前年同期は減収減益だったが、今期は減収増益を確保するなど、回復基調へ転じつつある。営業収益は2兆1,382億円で同0.4%減、営業利益は5,315億円で同9.5%増だった。最大の加入者数を抱えるだけに、構造的に純増競争では不利であるものの、そこはリテンション対策の強化で純増数を確保し、動画や電子書籍サービスを強化することで、伸びシロがまだある定額制(加入率58%)への移行を推し進めARPU上昇を狙っている。下期は、「スマートフォンのラインアップ拡充や定額制ユーザーの拡大、フィーチャーフォンユーザーのパケット利用の促進、モバイルW-Fiルータや通信対応フォトフレームなどの新デバイス投入によって、更なるデータARPUの向上」を目指す。そして新たな取り組みとして電子書籍やカーナビサービス、LTEの商用サービスにも注力する考えだ。
KDDIは、前年度の純増数(2009年度上半期39万)と比較すると今期は42万と増加傾向にはあるとは言え、依然ライバルとの差は大きい。移動通信事業の営業収益は前年同期比2.4%減の1兆3,052億円、営業利益は同9.0%減の2,477億円の減収減益だった。取り組みが遅れたスマートフォン投入やシンプルコースへの移行拡大にともなう音声ARPU減が続いており、今期は前年同期比500円のマイナスと最も大きい下げ幅を記録した。下期は、新社長の体制のもと、「スマートフォンの強化と電子ブックリーダー、Wi-Fiルーター、タブレット型端末等の新たなデバイスを積極投入」「データ利用推進、データARPU向上に向けた取り組みのさらなる推進」で失地回復を狙う。
各社の決算を総括すると、今回はスマートフォンへの踏み込み具合の差が大きく結果に反映したカタチとなった。ところで、スマートフォンが業績に影響を与える状況というのは国内だけの話ではない。ノキアなどグローバル端末ベンダーもスマートフォンの行方が業績を左右しており、今や世界的な流れとなっている。個人的には、LTE商用化を前に、こうした話題がここまで脇に追いやられた感のある状況に、いささか寂しさを感じてしまうのだが。
自らの土俵にライバルを引き込むソフトバンクの戦い方に、各社がどのように挑んで行くのか、2010年度下期から次世代モバイルネットワーク時代の新たな競争の幕が開こうとしている。
-NTTドコモ:減収増益/純増数 81万/ARPU5,200円(前年同期比-220円)
-KDDI:減収減益/純増数 42万/ARPU5,100円(前年同期比-500円)
-ソフトバンク:増収増益/純増数160万/ARPU4,300円(前年同期比+150円)
2008年よりiPhoneを投入し、スマートフォン時代をリードするソフトバンクは、純増数×単価の両面で増収増益を記録。移動体通信事業の営業収益は、前年同期比13%増の9,400億4,400万円、営業利益は前年同期比57.3%増2,072億300万円だった。純増数では前年同期比の68万から160万へ大きく増加させ、ARPUは4,300円と前四半期から150円増加した。なかでも特筆すべきは、データARPUが前年同期より300円増加し、データARPUと音声ARPUが逆転したという点である。今後10年以内にウィルコムの加入者を含め(合計で約2,800万)、ソフトバンクモバイルで4000万回線の獲得を目指す方針が明らかにされた。
これに対してドコモは、前年同期は減収減益だったが、今期は減収増益を確保するなど、回復基調へ転じつつある。営業収益は2兆1,382億円で同0.4%減、営業利益は5,315億円で同9.5%増だった。最大の加入者数を抱えるだけに、構造的に純増競争では不利であるものの、そこはリテンション対策の強化で純増数を確保し、動画や電子書籍サービスを強化することで、伸びシロがまだある定額制(加入率58%)への移行を推し進めARPU上昇を狙っている。下期は、「スマートフォンのラインアップ拡充や定額制ユーザーの拡大、フィーチャーフォンユーザーのパケット利用の促進、モバイルW-Fiルータや通信対応フォトフレームなどの新デバイス投入によって、更なるデータARPUの向上」を目指す。そして新たな取り組みとして電子書籍やカーナビサービス、LTEの商用サービスにも注力する考えだ。
KDDIは、前年度の純増数(2009年度上半期39万)と比較すると今期は42万と増加傾向にはあるとは言え、依然ライバルとの差は大きい。移動通信事業の営業収益は前年同期比2.4%減の1兆3,052億円、営業利益は同9.0%減の2,477億円の減収減益だった。取り組みが遅れたスマートフォン投入やシンプルコースへの移行拡大にともなう音声ARPU減が続いており、今期は前年同期比500円のマイナスと最も大きい下げ幅を記録した。下期は、新社長の体制のもと、「スマートフォンの強化と電子ブックリーダー、Wi-Fiルーター、タブレット型端末等の新たなデバイスを積極投入」「データ利用推進、データARPU向上に向けた取り組みのさらなる推進」で失地回復を狙う。
各社の決算を総括すると、今回はスマートフォンへの踏み込み具合の差が大きく結果に反映したカタチとなった。ところで、スマートフォンが業績に影響を与える状況というのは国内だけの話ではない。ノキアなどグローバル端末ベンダーもスマートフォンの行方が業績を左右しており、今や世界的な流れとなっている。個人的には、LTE商用化を前に、こうした話題がここまで脇に追いやられた感のある状況に、いささか寂しさを感じてしまうのだが。
自らの土俵にライバルを引き込むソフトバンクの戦い方に、各社がどのように挑んで行くのか、2010年度下期から次世代モバイルネットワーク時代の新たな競争の幕が開こうとしている。
2010年10月28日木曜日
Column:AP不要で機器間をWiFiで接続する「Wi-Fi Direct」
Wi-Fi Allianceは10月25日、Wi-Fi対応機器同士をダイレクトに接続するWi-Fi新仕様「Wi-Fi Direct」の製品認証開始を発表した。第一弾として、5製品が「Wi-Fi CERTIFIED Wi-Fi Direct」として認定される。
PC、携帯電話、デジカメ、プリンタなどから、キーボードなどWi-Fiが搭載されている機器(IEEE 802.11 a/g/n)が対象になり、通信速度や通信範囲はWi-Fiと同じで、セキュリティ技術「WPA2」をサポートする。
「Wi-Fi Direct」が注目される点が、どちらか一方の機器がWi-Fi Directに対応していれば、もう一方は非対応でも通信できるということ。
これによって、下記の例のような新アプリケーションが期待される。
・デジタルカメラとプリンター間で写真を転送し印刷する。
・携帯電話内の写真をテレビに転送し表示する。
・PCとiPhoneやiPod touch間でデータ同期を行う。
更に、デザリング機能が使えるようになれば、インターネットを搭載したPCを介して例えばiPod touchからネットに接続するといった使い方も可能となる。
同技術に似たワイヤレス技術としてBluetoothや無線LANルーター、アドホック無線接続を使えば似たようなことは実現可能だ。
しかし
・Bluetoothは転送速度が遅い、接続距離が短い
・無線LANルーター、アドホック無線接続は、接続設定が手間
といったデメリットがある。
Wi-Fi Allianceによると、2010年に8200万台のWi-Fi対応家電製品と2億1600万台のWi-Fi対応ハンドセットが出荷され、2014年までWi-Fi対応機器は年率26%で増加していくと予測している。特に近年は携帯電話へのWi-Fi搭載が急増しており、2009年に出荷されたWi-Fi対応機器の4分の1は携帯電話だった。
Wi-Fiと携帯の融合化によって、新たな無線アプリケーションが今後創出されていきそうだ。
PC、携帯電話、デジカメ、プリンタなどから、キーボードなどWi-Fiが搭載されている機器(IEEE 802.11 a/g/n)が対象になり、通信速度や通信範囲はWi-Fiと同じで、セキュリティ技術「WPA2」をサポートする。
「Wi-Fi Direct」が注目される点が、どちらか一方の機器がWi-Fi Directに対応していれば、もう一方は非対応でも通信できるということ。
これによって、下記の例のような新アプリケーションが期待される。
・デジタルカメラとプリンター間で写真を転送し印刷する。
・携帯電話内の写真をテレビに転送し表示する。
・PCとiPhoneやiPod touch間でデータ同期を行う。
更に、デザリング機能が使えるようになれば、インターネットを搭載したPCを介して例えばiPod touchからネットに接続するといった使い方も可能となる。
同技術に似たワイヤレス技術としてBluetoothや無線LANルーター、アドホック無線接続を使えば似たようなことは実現可能だ。
しかし
・Bluetoothは転送速度が遅い、接続距離が短い
・無線LANルーター、アドホック無線接続は、接続設定が手間
といったデメリットがある。
Wi-Fi Allianceによると、2010年に8200万台のWi-Fi対応家電製品と2億1600万台のWi-Fi対応ハンドセットが出荷され、2014年までWi-Fi対応機器は年率26%で増加していくと予測している。特に近年は携帯電話へのWi-Fi搭載が急増しており、2009年に出荷されたWi-Fi対応機器の4分の1は携帯電話だった。
Wi-Fiと携帯の融合化によって、新たな無線アプリケーションが今後創出されていきそうだ。
2010年10月26日火曜日
Column:3.9Gの本格競争前に早くも選定された4Gの技術規格
国連機関の国際電気通信連合(ITU)は10月22日に4Gの携帯電話規格に「LTE」と「WiMAX」の両方式の発展型を採用することを決定した。ITUは2011年中に2つの規格の詳細を定め、2012年に正式に勧告を出すこととなっている。
4Gは新幹線などで高速移動中でも通常の光ファイバーと同レベルの最大毎秒100Mbpsで受信でき、低速時には最大1Gbpsの超高速通信も可能とされている。
実用化の時期に関しては、2015年以降と見られているが、国内ではLTEの普及を当面の課題と位置づけており、本格的な4G時代は2020年前後までずれ込むとの見方もある。
LTEの展開では、今年12月にドコモが商用サービスを開始し、2012年7月にはソフトバンクモバイルが、12月にはKDDIがそれぞれ追随する予定だ。ドコモ以外はLTEの展開が2年程度遅れる訳だが、その間ソフトバンクとイー・モバイルは、現行設備を最大限に活かし下り最大42Mbpsを実現する「DC-HSDPA」で、そしてKDDIは下り最大9.2Mbps/上り最大5.5Mbpsの通信が可能となるEV-DOマルチキャリアやUQコミュニケーションズのモバイルWiMAXで対抗する構えだ。
高速通信が「売り」のLTEだが、当初のデータ通信速度は、最大75Mbpsとなっているものの、これは一部屋内エリア限定で、屋外では37.5Mbps程度とされている。つまり、LTEでドコモが先行したとしても、通信速度では他社もあの手この手で十分に対応可能と言うことになる。
まさに、これから3.9G時代の戦いが始まろうというタイミングにあり、4Gはその先ということになる。しかしながら「LTE」VS「モバイルWiMAX」という観点からは、今世界で繰り広げられる技術規格でどちらが大勢を占めるかということが、4G本格化の際にデファクトを勝ち取るために大切な要件だ。
その意味から言えば、現時点では採用している通信キャリア数、対応端末などから、LTEが圧倒的に有利なポジションを占めている。LTEは国内キャリア4社全てが採用する他、世界的にも米国のAT&Tやベライゾンワイヤレス、英ボーダフォンなどの大手が採用を表明済みだ。
これに対してWiMAX陣営では、国内ではKDDI系のUQコミュニケーションズが採用するが、海外では大手通信会社の採用が少なく、一部通信会社ではLTEへの乗り換えを示唆するような動きも出ている。
劣勢を挽回するため、WiMAXは2012年に下り最大330Mbpsの「WiMAX2」を投入することで、高速化競争をリードしたい構えだ。
更にここへきて、上記2規格に加え、同じLTEでも送信と受信で同じ周波数を使う「TD-LTE」と呼ぶ規格も勢力を拡大している。中国最大手のチャイナモバイルのほか、インドでも一部の通信事業者が採用を表明しており、将来的に一大勢力を築く可能性が高い。
思いのほか早い段階で4Gの規格が決まったことで、今後機器の開発競争が激化することは必至の情勢で、グローバル市場を見据えた戦略策定が本格化していきそうだ。
4Gは新幹線などで高速移動中でも通常の光ファイバーと同レベルの最大毎秒100Mbpsで受信でき、低速時には最大1Gbpsの超高速通信も可能とされている。
実用化の時期に関しては、2015年以降と見られているが、国内ではLTEの普及を当面の課題と位置づけており、本格的な4G時代は2020年前後までずれ込むとの見方もある。
LTEの展開では、今年12月にドコモが商用サービスを開始し、2012年7月にはソフトバンクモバイルが、12月にはKDDIがそれぞれ追随する予定だ。ドコモ以外はLTEの展開が2年程度遅れる訳だが、その間ソフトバンクとイー・モバイルは、現行設備を最大限に活かし下り最大42Mbpsを実現する「DC-HSDPA」で、そしてKDDIは下り最大9.2Mbps/上り最大5.5Mbpsの通信が可能となるEV-DOマルチキャリアやUQコミュニケーションズのモバイルWiMAXで対抗する構えだ。
高速通信が「売り」のLTEだが、当初のデータ通信速度は、最大75Mbpsとなっているものの、これは一部屋内エリア限定で、屋外では37.5Mbps程度とされている。つまり、LTEでドコモが先行したとしても、通信速度では他社もあの手この手で十分に対応可能と言うことになる。
まさに、これから3.9G時代の戦いが始まろうというタイミングにあり、4Gはその先ということになる。しかしながら「LTE」VS「モバイルWiMAX」という観点からは、今世界で繰り広げられる技術規格でどちらが大勢を占めるかということが、4G本格化の際にデファクトを勝ち取るために大切な要件だ。
その意味から言えば、現時点では採用している通信キャリア数、対応端末などから、LTEが圧倒的に有利なポジションを占めている。LTEは国内キャリア4社全てが採用する他、世界的にも米国のAT&Tやベライゾンワイヤレス、英ボーダフォンなどの大手が採用を表明済みだ。
これに対してWiMAX陣営では、国内ではKDDI系のUQコミュニケーションズが採用するが、海外では大手通信会社の採用が少なく、一部通信会社ではLTEへの乗り換えを示唆するような動きも出ている。
劣勢を挽回するため、WiMAXは2012年に下り最大330Mbpsの「WiMAX2」を投入することで、高速化競争をリードしたい構えだ。
更にここへきて、上記2規格に加え、同じLTEでも送信と受信で同じ周波数を使う「TD-LTE」と呼ぶ規格も勢力を拡大している。中国最大手のチャイナモバイルのほか、インドでも一部の通信事業者が採用を表明しており、将来的に一大勢力を築く可能性が高い。
思いのほか早い段階で4Gの規格が決まったことで、今後機器の開発競争が激化することは必至の情勢で、グローバル市場を見据えた戦略策定が本格化していきそうだ。
2010年10月25日月曜日
Column:ライバルの本格参戦を前に布陣の再構築迫られている?iPad陣営
ここ数日、iPadが想定された数よりも販売量が達していないのではないかと思わせる複数のニュースが出てきている。
まず、意外だったのがアップルの2010年7月-9月期のiPadの販売量である。同社の決算資料によると420万だったが、これは大方のアナリストが予想していた500万台超えを大きく下回るスコアだった。
国内でも情勢は似ている。アップル及びソフトバンクは、iPadの販売量について一切明らかにしていないので、あくまで推測の域を出ないが、複数の販売店によると発売当初こそ大きく前月を上回ってきたものの、最近ではカーブは下降線を辿り始めているとしている。
私の周りで最近iPadを購入した複数の人も、店頭で「在庫僅少」や「在庫無し」と張り紙に書かれてあるので取り寄せ覚悟で購入したい旨を伝えると、奥から出てきたという話をしていた。
これまでアップルとの蜜月でiPhoneに続きiPadの販売は、ソフトバンクが独占的に取り扱ってきたが、最近IIJがiPad(無線LAN搭載版)の代理店として新たに認定を受け、今後ドコモの3Gが搭載されたモバイルルータとセット販売を行うとするニュースが流れた。
また、ソフトバンクもiPadの販売店舗を10月より全国98店舗のソフトバンクショップへ広げるとしている。恒例のソフトバンクが開催した法人向けイベントで孫社長のメインテーマはiPadだった。
iPadが売れすぎて嬉しい報告だったのか、それとも不振を目のあたりにして営業の尻を叩く必要があったのだろうか?
ドコモやKDDIなど各社がタブレット端末を投入し、まさに顧客争奪戦が始まろうする前からiPadが失速してはどうしようもない。iPadサイドにとっては、布陣の再構築を迫られているというところなのかも知れない。
まず、意外だったのがアップルの2010年7月-9月期のiPadの販売量である。同社の決算資料によると420万だったが、これは大方のアナリストが予想していた500万台超えを大きく下回るスコアだった。
国内でも情勢は似ている。アップル及びソフトバンクは、iPadの販売量について一切明らかにしていないので、あくまで推測の域を出ないが、複数の販売店によると発売当初こそ大きく前月を上回ってきたものの、最近ではカーブは下降線を辿り始めているとしている。
私の周りで最近iPadを購入した複数の人も、店頭で「在庫僅少」や「在庫無し」と張り紙に書かれてあるので取り寄せ覚悟で購入したい旨を伝えると、奥から出てきたという話をしていた。
これまでアップルとの蜜月でiPhoneに続きiPadの販売は、ソフトバンクが独占的に取り扱ってきたが、最近IIJがiPad(無線LAN搭載版)の代理店として新たに認定を受け、今後ドコモの3Gが搭載されたモバイルルータとセット販売を行うとするニュースが流れた。
また、ソフトバンクもiPadの販売店舗を10月より全国98店舗のソフトバンクショップへ広げるとしている。恒例のソフトバンクが開催した法人向けイベントで孫社長のメインテーマはiPadだった。
iPadが売れすぎて嬉しい報告だったのか、それとも不振を目のあたりにして営業の尻を叩く必要があったのだろうか?
ドコモやKDDIなど各社がタブレット端末を投入し、まさに顧客争奪戦が始まろうする前からiPadが失速してはどうしようもない。iPadサイドにとっては、布陣の再構築を迫られているというところなのかも知れない。
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