2010年9月30日木曜日

Column:加入者拡大戦略へ舵を切った?モバイルWiMAX

 UQコミュニケーションズが10月より「WiMAX PC バリューセット」の提供を開始することを発表した。同サービスは、「WiMAX統合ポータルサイト」からWiMAXパソコンにて「UQ Flat」もしくは「UQ Step」を契約した人を対象に加入月およびその翌月は無料でWiMAXサービスを利用できるほか、登録料の2,835円が無料となる。更に「UQ Step」契約者は、その後も10ヵ月間は月額基本料金分の380円が割引となり、利用の無い月は0円、最大でも4,600円になるという内容だ。

 2010年8月末時点の加入者数が30万弱と決して順調とは言えないUQコミュニケーションズが打ち出した新たな一手ということだろうが、料金負担を極限にまで軽減することで、これまで以上に加入者増加に舵を切ったということかも知れない。

 店頭にいくと、データ通信カードの競争が熾烈だ。各社、ノートPCを購入する際にモバイル各社のデータ通信カード付きだと3-4万円、あるキャリアでは料金プランによっては最大6万円値引きでノートPCを購入することができるため、機種によっては0円で購入することが可能となっている。

 昔ながらの携帯電話のインセンティブモデルをノートPC+データ通信カードにスライドさせただけのことだが、ある携帯会社の幹部によると、「未開拓の市場だから問題ない」のだそうだ。

 個人的には、そんな屁理屈はどうかと思うのだが、これによってデータ通信カード市場が活性化したことは間違いない。しかし、このインセンティブモデルは、契約期間で顧客を縛ることができるからこそ成立する。

 その点、『縛り』を是とないモバイルWiMAXには追随できない事情がある。携帯電話と違う立ち位置を目指しているからこそのメリットもあるが、今はそれ以上に厳しさを感じている時かも知れない。

 しかし、戦いはスタートしたばかりだ。最大の弱点であるエリア整備がひと段落してからはじめてイーブンとなる。激しい顧客獲得競争にさらされ致し方ない部分があるにせよ、今は経営資源をそこへフォーカスすべき時ではあることも忘れるべきでないだろう。

2010年9月29日水曜日

Research Note:今後も再編進む基地局工事市場

 PM:ある工事会社との定例ミーティングにて。

 キャリアを頂点とするモバイル市場の構造。最近では、市場のオープン化の動きも見られるが、それは一部のレイヤーのごくごく一部の企業に限られているのが実情だ。

 そんな今も昔も変わらない『鉄の関係』を維持しているのが、工事業界ではないだろうか。

 キャリアとのドメスティックな人間関係をベースに、その間は深く、そして複雑に入り組んでいる。

 基地局あたり○○本の回線契約を工事をうけたキャリアからノルマとして課される。機器を購入する際に工事関係の協力金拠出を求められている。両者の関係をあらわす事例として、こんな話をよく耳にする。

 景気がバブリーな頃は、そんなにキツくなかったらしいが、ご多分にもれず、この業界も飽和状態にある。

 いた仕方ないとその関係者は述べる一方で、でもそれこそひと昔前は、鞄に○千万入れて置局交渉に行っていたというのだから・・・,

 弊社では以前に海外の携帯基地局の調査をやったことがあるのだが、あるアジアの国での実態をつぶさに見て、愕然としたことがある。余ったケーブルは野ざらしで、基礎は不十分だし、日本の基準からみると、いつ災害が起きてもおかしくない状態だった。

 それに対して、日本の基地局は、一部を除けば「美しい」。日本人の勤勉さや真面目さを表現するかのように、せい然としている。

 しかし、関係者によるとここ数年のデフレ経済下におけるコスト削減のプレッシャーは凄まじく、これまでの品質を維持しながらコスト削減要求に応えるというのは限界にきていると口を揃える。

 特に、工事する人員、車両、そしてそれなりの拠点を維持していくためには、一定の予算規模と工事需要の見通しが絶対条件となる。今は、それが視界不良なのだという。

 今年に入り、大手工事会社の合併が進んでいるが、今後更にこうした動きが加速していくと推測される。

2010年9月27日月曜日

Column:変容する端末市場で注目されるノキアの「チェンジ」の行方

 CNETによると、投資会社Canaccord Genuityが「iPhone」の粗利益率は50%、営業利益率は30%にもなると発表したという。世界の携帯電話市場で3%程度しかない企業がこの半年あまりの携帯電話端末ベンダーの利益の40%近くを稼いだというのだから、本当ならまさに驚きである。

 周知のように世界の携帯端末市場では、今様々な変容期にある。1つは、売れ筋がフィーチャーフォンと呼ばれる従来の音声端末からスマートフォンへスイッチしたこと。2つ目は、データ通信端末需要という波に乗るかのようにZTE やHuawei といった中国系ベンダーの躍進が目ざましい反面、フィンランドのノキア、スウェーデンのソニーエリソン、米国モトローラなどの欧米系の勢いが少なくとも数の面で陰りが見えることだ。

 欧米系端末ベンダーの不調は、それまでの廉価端末中心の品揃えからスマートフォンといった高級路線へシフトした結果であるという言い方もできるが、その一方で絶対的なポジションにあるノキアは突然CEOが交代するなど、嵐のように変化する市場への対応に苦慮しているようにも映る。

 何せアップルがiPhoneを投入した2007年6月以降、同社の株価は約3分の1になり、時価総額にして日本円で約5兆5,000億円も吹っ飛んだというのだから、ただ事でない。

 端末市場を俯瞰すると高級端末ではiPhone旋風が席巻し、新興国を中心とした低価格端末市場では中国端末ベンダーが欧米系端末ベンダーを上回る低価格で次々に駆逐しながら、それでも一定以上の利益を確保しているような状況にある。

 こうしたなか、自ら開発するより世界中から部品を集め、アジアの低コストでアッセンブリできる製造受託サービスを活用することで大量生産によるシェア拡大戦略で長らくトップに君臨してきたノキアがどのような「チェンジ」で切り抜けていこうとするのか注目される。

2010年9月23日木曜日

Reserch Note:海外の再編の影響受け地殻変動進む国内モバイルインフラ市場

 PM:ある国際的なソフトベンダーとの定例ミーティングにて。

 国内のモバイルインフラ市場は、長らくNEC,富士通の2強がドコモを中心にシェアを抑え、KDDIでモトローラと日立、ソフトバンクで日本エリクソンとノキアシーメンス、イーモバイルが日本エリクソンとファーウェイといった外資系が競っているような状況にある。

 この他にも、例えばドコモには日本エリクソン、ソフトバンクにはNECなども機器を納入しているが、シェアはさほど大きくない。

 その関係者曰く、地殻変動の主役はノキアシーメンスネットワークス((以下、ノキアSN)だという。

 同社は、2007年4月にノキアとシーメンスが母体となって設立された。余談だが、それまでシーメンスはNECと海外インフラ市場で協力関係にあり、当時はその関係がどうなるのかと騒がれたことを思い出す。。

 その後、ノキアSNはLTEやモバイルWiMAXの技術開発を強化する一方で、収益的には中国インフラベンダーなどの攻勢もあり、厳しい状況が続き、リストラを設立当初から強いられることとなる。

 しかし、2010年に入り同社は『攻め』にギアを切り替える。7月にモトローラの通信機器部門を12億ドルで買収すると発表したのだ。これにより、ノキアSNはモトローラから、iDEN事業とネットワークインフラ関連の知的財産以外のほぼ全ての無線ネットワークインフラ事業を獲得した。

 日本でも、その影響は大きいといわざる終えない。ドコモには提携先のパナソニック経由で、ソフトバンクには直にそれぞれビジネスを展開してきたが、モトローラはCDMA基地局の供給や昨年にはLTE基地局ベンダーとして選定されるなど国内ではKDDIと関係が深く、今回ノキアSNは3大携帯キャリア全てとの取引関係を手にしたことになる。

 これは、国内の外資系インフラベンダーでは最大手の日本エリクソンでもなし得ていないことだった。

 これ以外にも、ここ数年の中国系インフラベンダーの躍進も目覚しく、LTE時代にインフラ市場の行方は、しばらく流動的となりそうだ。

2010年9月22日水曜日

Column:次へ向けたスマートフォンの戦い

 ニールセンによるとスマートフォン先進国の米国では、携帯利用者の割合が25%を占めるまでに急成長しており、同社によると2011年末にはスマートフォンのシェアが50%を突破すると予測している。

 モバイルOSでは、火付け役であるiPhoneの躍進が続くものの、GoogleのAndroidが急速にシェアを拡大させており、減少が続くマイクロソフトと対照的である。

 日本でもスマートフォン旋風は凄まじい。家電量販店のPOSデータを集計しているBCNによると6月21~27日のスマートフォン構成比は22・4%だったとしている。

 既にKDDIを含め3大携帯キャリアでは、スマートフォンが揃いはじめているが、市場では断然iPhoneリードという状態に変わりはない。

 しかし、次の戦いの舞台となる秋冬端末では、すでにドコモが当初5機種と予定していたスマートフォンを7機種に拡充すると発表するなど、勢力図に一定のインパクトを与えそうだ。

 携帯メールやFelica未搭載など、世界標準仕様が国内を席巻してきたが、次の主役は日本ローカル技術の搭載による1台目端末になるではないだろうか。これまでスマートフォン利用者は、ローカル技術に対応していないことから2台目端末として購入しているケースが多いとされてきた。

 1台目端末として躍り出れば、2台が1台に集約されるのだから短期的には出荷台数に影響を及ぼす可能性はあるが、これもその次に起きるであろうSIMロック解除時代を迎えれば解消できる問題である。

 個人的には、携帯キャリアと端末ベンダーの関係上、主導権がソフトバンクではなくアップルにあるiPhoneより、Xperia以降のドコモのマネジメント能力の方が高いように感じる。うがった見方をすると、iモードメールへの対応やFeLia搭載なども、技術的な問題というよりSIMロック解除の時期を今から見据え、自らの意思として段階的にやろうとしているような・・・。

 いずれにしても、スマートフォンの次の戦いの号砲が鳴るまでの時間は、そう長くはなさそうだ。

2010年9月17日金曜日

Reserch Note:日本へのTDD-LTE導入の可能性

 AM:ある機器ベンダーとの定例ミーティングにて。

 今後のモバイル系キャリアのネットワークインフラの進化について議論となった。

 すでに携帯系のキャリアは、次世代技術としてLTE(Long Term Evolution)、またはLTEまでのつなぎとしてDC-HSDPAを導入する動きがはじまっている。

 3Gでは、宗教論争のようにW-CDMAとCDMA2000が対立してきたが、次世代ではそろってLTEへ収斂しようとしている。

 一方、その対抗馬として位置づけられるウィルコムのXGPとUQコミュニケーションズのモバイルWiMAXのTDD(Time Division Duplex)勢の戦略はどうか?

 その関係者によると、TDD方式という縛りがある以上、選択肢は限られており、その最有力候補がTDD-LTEだという。ちなみに、ドコモなど携帯系キャリアが導入を予定しているのは、FDD((Frequency Division Duplex)-LTEである。

 TDDは1つの周波数帯を時間軸で細かく区分し、送信と受信を高速に切り替えるのに対し、FDDは周波数帯を送信と受信に分割して同時送受信する。

 世界的にも次世代の標準規格となると期待されているLTEに、XGPが、そしてモバイルWiMAXであっても、その延長でコスト的に対抗していくのは至難のワザだという。

 しかし、TDD-LTEなら対抗できる可能性は十分にある。理由は、TDD-LTEは世界最大の携帯キャリアであるチャイナモバイルが採用を予定しているからだ。

 FDD-LTE方式との互換性も高く、インフラ機器ベンダーの中には1つの無線機でソフトウェアの入れ替えで両規格に変更できるようなところも出てきている。

 国内導入への残されたハードルは、官庁へのネゴだけか?

 その行方が注目される。

2010年9月16日木曜日

Column:混迷の末にようやく決着し、また禍根残した「携帯端末向けマルチメディア放送」②

 そもそも総務省が主導する周波数割り当ては、公正というか適切な方法なのだろか。総務省は一連の公開説明会などの場で2社が提出した開設計画案について、総務省が電波監理審議会へ諮問し、答申を得て決定するプロセスについて、「総務省が評価した上で第三者(電波監理審議会)から意見をもらう。総務省はプロフェッショナルな立場から評価するので、しっかりした結論を導き出せると考えている」とコメントしている。

 公の場でこうした発言をするあたり、ならば2.5GHzの免許割当で経営に行き詰まったウィルコムを選定し、更に遡れば2005年にはTDD方式の携帯新規参入では、それまで全く実績のないアイピーモバイルに免許を付与したもののサービス開始前に破綻してしまったことについて、どう総括しているのかと思ってしまう。

 一方、ここ数回行われている周波数割当の流れを見ていると、2.5GHz帯ではKDDI系のUQコミュニケーションズが選ばれ、今回の携帯端末向けマルチメディア放送はドコモ系のマルチメディア放送が・・・・。そして、次の700/900MHzではソフトバンクが選ばれるという出来レースでは?とうがった見方をしてしまう。

 こうした疑念が出ないためにも、透明で公正な決定プロセスを議論する時期に来ているような気がしてならない。

 最後に「携帯端末向けマルチメディア放送」の免許を取得したマルチメディア放送の市場に受け入れられるかについて考えてみたい。

 同社の計画によると、先行するBeeTVの例もあり、次世代放送の月間利用料は300円程度と安価なので受け入れられるとしてるが、それならBeeTVとどのように棲み分けようとしてるのだろうか。そして、仮にBeeTVが成功しているというのなら、サービス単独でどのくらい黒字化しているのだろうか。

 ワンセグは利用者に聞くと、携帯電話の必須のアイテムとして上位に挙がる。では、それほど使っているのかというと、どうだろう。これほど利用者の「欲しい」と実際に「使っている」の落差が大きい機能も珍しいのではないだろうか。

 事業化の道が、決して平坦でないことだけは間違いなさそうだ。

2010年9月15日水曜日

Column:混迷の末にようやく決着し、また禍根残した「携帯端末向けマルチメディア放送」①

①混迷の末にようやく決着
 次世代放送「携帯端末向けマルチメディア放送」の事業免許を巡り、総務省の諮問機関である電波監理審議会は、2010年9月ドコモ陣営であるマルチメディア放送(mmbi)を基地局を整備する受託放送事業に選定した。

 国内では2011年7月24日にアナログ方式によるテレビ放送が終了し、地上デジタル放送へ完全移行する。携帯端末向けマルチメディア放送は、その空き周波数帯の一部であるVHF-Highの14.5MHz幅の帯域が割り当てられることとなっている。

 同サービスを巡っては、民放キー局と組んで国産技術を推すドコモ陣営と、クアルコムの技術をベースに海外での実績をアピールしてきたKDDI陣営の全面対決という構図だったが、その決定に至るまでのプロセスは混乱の連続だったと言わざるをえない。

 総務省主導による議論は2007年7月に「『携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会』の開催」からで、会合は14回開催され、報告書にはVHF-Highを全国向け放送、VHF-Lowを地域ブロック放送に割り当てること、免許割り当て後の世帯カバー率を「5年後に9割」を参入条件とすることなどが明記された。

 その後、2009年8月に携帯向けマルチメディア放送の基本方針が総務省から公表されるも、技術方式については一本化の是非が論じられてたきたにも関わらず、統一される訳でもなく放送設備を持つ受託事業者として、ISDB-Tmm方式を採用するマルチメディア放送(mmbi)、MediaFLO方式を採用するメディアフロージャパン企画が参入を表明する。

 混乱に拍車をかけたのが、2010年2月総務省から「無線設備規則の一部を改正する省令案等の電波監理審議会への諮問及び当該省令案その他の携帯端末向けマルチメディア放送の実現に向けた制度整備案に対する意見募集」という報道資料だった。その中で、総務省はそれまで、周波数を割り当てる事業者数を1~2としていたものを「1事業者」と明示したのだ。

 技術方式も決まらず、席は1つと言われれば、2社の戦いが激しさを増すのは至極当然だろう。選定レースは、当初、ワンセグを応用した「ISDB―Tmm」方式を開発して臨んだドコモの有利が伝えられたものの、透明性の高い公開説明会の開催を強く求めるKDDIの猛烈な巻き返しがによって、情勢は一気に視界不良となる。

 7月には原口一博総務相が「米国に配慮し、公正に判断するように」と総務省幹部に指示したこと、更に8月には民主党から官主導の選定方法やオークション方式の導入を提案するなど、混乱に拍車がかかる。その結果、総務省が7月に予定していた決定は延び、8月になっても総務省は案を出すことができず、中立的な立場の電監審に判断を委ねるという異例の展開となった。

 メディアフローが5年間で基地局865局、総額961億円を見積もるのに対し、mmbi側はわずか125局で総額438億円と、半分以下の投資額で済ませようとしている。その違いから両社のサービスを一言で括るとメディアフロージャパンは『エリア重視型の携帯電話』で、mmbiが『安価コスト重視型のテレビ』というイメージだ。

 今回mmbiが選定され、次の焦点になりそうなのが、ドコモ陣営だったソフトバンクと今回敗れたKDDIの対応だ。もともとKDDI陣営だったが2008年にドコモへ鞍替えしたソフトバンクにドコモサイドは、インフラ子会社への資本参加も要請していくとしているが、帯域利用料などの問題もあり一筋縄には行きそうにない。更に混乱が予想されるのがKDDIだ。そもそも今回の決定プロセスについて納得しておらず、融和のハードルは高そうだ。

 当然だが、ドコモが携帯市場の半分を持っているとは言え、仮にドコモだけしか携帯端末向けマルチメディア放送をやらないという事態にでもなれば、それは総務省主導で進めてきた『電波行政の失敗』以外の何物でもなのではないだろうか。

2010年9月2日木曜日

Column:新星堂の携帯販売進出

 日経新聞の報道によると、音楽CD販売の新星堂は携帯電話の販売事業に参入するとの報道があった。携帯電話で音楽を楽しむ人が増えていることに加え、CD需要落ち込みを携帯販売によって補う狙いががあるとしている。

 今後、同社では1年後に約160の全店に広げ、米アップルの「iPhone」など高機能携帯電話を中心に販売。パートナーとしてソフトバンク系代理店の大手であるテレコムサービスと協力していくとしている。

 こうした報道を受け、ジャスダックの新星堂(7415)の株価は8月31日、前日比+46%の大幅高を記録するなど、収益基盤拡大への期待感が寄せられた。

 音楽CD市場の苦境は、今年8月のHMV渋谷店閉鎖の報道からも明らかだが、日本レコード協会によると2009年の音楽CD生産額は2008年比15.5%減の2,460億円。11年連続で前年実績を割り込んでいるような状態だとしている。

 一方、携帯の販売現場は複数の携帯キャリアを扱う併売店が減少し、量販店とキャリアショップと呼ばれる専売店に2極化が進んでいる。携帯電話端末の販売低迷の影響を受け、販売店の苦境は続いており、伊藤忠系のITCネットワークやティーガイアなどは中国市場へ進出したり、SIMロック解除を見越しカメラ店のキタムラやヨドバシなどは、中古携帯の取扱いをはじめたりしている。

 こうしたなか、CD販売に強みを持つ今回の新星堂は、店舗の付加価値化や個性化という意味でユニークな取り組みと言えそうだ。