2012年10月18日木曜日

ソフトバンクのM&A戦略の波紋


 iPhone5投入後、携帯各社の争いは一層激しさを増している。

 万全の準備でiPhone5発売を迎えたKDDIが、テザリング、電池持ち時間改良、スマートパス対応、4Sとの同じ料金体系などなどで序盤をリードしたかと思いきや、ソフトバンクは得意の「後だしジャンケン」で追撃。

 更には、一向に改善しないインフラの抜本対策としてイー・アクセスを買収したかと思いきや、米国三位のスプリントまで手にいれて一気に世界三位の携帯キャリアに駆け上がってしまった。

 買収した二社については、以前より金融機関の売却リストに載っていたとされ、ソフトバンク以外の通信キャリアでも検討されてきたことは容易に察しがつく。

 現在、携帯市場はLTE時代を迎え、新たなパラダイムの転換点にある。

 戦略には、自ら成長するための『打ち手』と、もう一つ。敵に致命的な一手を打たせない『封じ手』があるのではないかと思う。

 今回、派手に報道されたソフトバンクの一連のM&A。なかでもイー・アクセスを持っていかれたことが、ライバル各社にとって、自社にとって魅力がないということだけでスルーしてよかったことなのか?個人的には、そんなことは決してないように思うのだか。

 いすれにしても、この結果は遠くない将来に明らかになるだろう。

執筆:天野浩徳