2011年2月1日火曜日

Column:端末の魅力&携帯会社の‘作為’でバカ売れているスマートフォン

 ドコモは1月28日、2010年度第3四半期の決算を発表した。営業収益は前年同期比1%減の3兆2,091億円、営業利益が前年度比7.9%増の7,585億円、純利益が6.7%増の7,486億円で、減収増益となった。

 減収要因となっているのが、音声ARPUの低減だ。音声収入は前年同期比で1,405億円減少しているが、そのうちの800億円程度が、基本使用料が安くなるバリュープランへの移行の影響としている。バリュープランの契約率は12月末で68%となっており、その影響は今後1年程度は続くとしている。

 スマートフォンが予想以上に拡大しており、2010年度を250万台(当初の目標は130万台)と上方修正し、2011年度は600万台まで伸張し、2012年度には販売台数がフィーチャーフォンを超えると予測している。

 これほどスマートフォンが伸している背景には、当然だがフィーチャーフォンよりスマートフォンを望む顧客が多いためだろうが、しかし一方で加入者数増加が見込めない状況下で、もう1つの収益エンジンであるARPU増加のアクセルを踏みたい携帯各社の思惑があることも忘れてはならない。

 だから、今店頭にいくと、フィーチャーフォンよりスマートフォンの方が安価だし、そこには携帯各社が販売インセンティブをスマートフォンの方に多く投下し、ある意味スマートフォン購入へ仕向けるという‘作為’が働いているということが容易に察しがつく。

 伝え聞くところでは、今年の3月から続々と国内端末ベンダーのスマートフォン&タブレットが上市されるとのこと。数年後にはスマートフォンがスマートフォンと呼ばれることがなくなる時が来るのではないだろうか。